の量を想定した現実的なもので、これに対処し得る能力を有することを目標とした。 この能力を超える事故が発生した場合は、ボン協定加盟国及び近隣諸国に応援を求めることになる。 油汚染が発見された場合、その情報はCGCを通じ北海局に通報される。次にこの報告は、航空機を使ってチェックされる。空中監視は、SLARシステム(SideLooki?AirbomeRaderSystem)を装備する航空機によって行われる。この航空機は、流出油事故が報告された際にはその監視活動にあたるが、通常時は行動計画に従い、毎日主要航路上を飛行し、北海水路における船舶交通の監視、法令の取締及び流出油の監視にあたっている。このようにして得られた情報を基に、極く小さなもの以外は北海局の防除船を使っての防除対策が決定される。 一方、重大な流出油事故が発生した場合、北海局長は緊急事態を宣言し、北海局と海運・海事当局の長官は、共同で海上での政府の対応を決定する。そして、関係機関との協議や調整にあたる政策グループと、防除作業を調整し実施する作業グループからなる緊急チームが召集される。このグループは自由に防除資機材や防除船を使うことができる。そして、汚染防除措置は、北海局によって同局所有船及び借り上げ船舶または民間タグボートなどにより行われる。 また、ECと共同で開発した流出油の漂流を予測するコンピュータ・シミュレーションを使用し意思決定を補助する。 4.人員・資機材の配備 資料「オランダ政府の油防除資機材基地及び保有状況」 資料「オランダ沿岸域の油汚染対応資機材」 (1) 人員資機材 海上での防除対応は、海上での油汚染に対処する大規模な資機材を保有している政府機関だけではなく、回収システム(SweepingA.m)を装備する民間会社の船舶を、一時的に利用することによって汚染事故に対応することになる。また、30,000トンの流出油に対処する体制として、調査船・設標船などの政府の船舶で20%、民間の所有船舶で80%を担うこととしている。これら民間船舶は緊急時に備え、あらかじめ借り上げ契約が結ばれている。たとえば凌漢船が3時間で回収船に変る。タンク容量が大きく3,000トンもあるので効果的である。 1967年に発生したトリー・キャニオン号の大量流出油事故をきっかけに、北海を取り巻く各国の多くは防除資機材の開発に積極的に取り組み、オランダでは大型の油回収装置Sweeping Amを開発した。 港湾の清掃にあたる会社は、かなりの経験を有しており、港湾や浅瀬で作業するよう設計された装置を開発している。また、汚染防除に責任を有する港湾管理者は、作業を実施するのに十分に経験のある人員を有している。一方、地域の人員・資機材は、主として地域の建設会社等が所有している。
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